間違った解釈に要注意!4cm以上の車高変化でも車検は合格します!

4cm以上のローダウン、リフトアップも合法です!

なぜか4cm以上の車高の変更は構造変更が必要といわれます。

ネット上でもそのような記事をたびたび目にします。

我々は普段から車検などで運輸局や軽自動車検査協会に足を運びますが、4cm以上の車高変更でも構造変更(構造等変更検査)を受けることはありません。(リーフスプリング車は除く)

なぜか誤った認識が定着しつつありますが、今回は車高含め車両寸法の変更について我々が日頃のパーツ開発などで運輸局・軽自動車検査協会等に確認して知りえた情報をかみ砕いて説明したいと思います。

車高など寸法に変更がある場合

国土交通省のホームページで閲覧できる構造等変更検査に関する通達のリンクです↓↓

「自動車部品を装着した場合の構造等変更検査等における取扱いについて(依命通達)」

自動車の寸法に変更があった場合に関するルールです。

リフトアップやローダウン、オーバーフェンダー装着、エアロやバンパー交換、ルーフラックやラダー、ウインチ装着といった多くの人気カスタムに関係があります。

平成711月以降、使用過程における自動車(登録済みの車両)について、軽微な変更となる自動車部品の取り付けについては、構造等変更に係わる諸手続きを簡素化するという通達が国土交通省よりありました。

『諸手続きを簡素化する』とは構造等変更検査の必要がなく、車検証の記載を変更しなくてもよいという解釈になります。

軽微な変更とは以下の2つのパターンが設定されており、どちらかに該当すれば『諸手続きを簡素化する(車検証の記載変更不要)』対象となります。

ⓐ自動車部品を装着したときに寸法及び車両重量が一定範囲内である場合

ⓑ指定部品を溶接またはリベット以外の取り付け方法により装着した場合

それぞれの詳細は以下にまとめましたのでご参照ください。

ⓐ自動車部品を装着したときに寸法及び車両重量が一定範囲内である場合

寸法および車両重量が一定範囲内である場合とは

自動車の寸法(長さ、幅、高さ)および重量は車両の種類によって決められた『一定の範囲内』において自由な変更が認められています。

自動車後付け部品における一定範囲とは

上記に示した『一定範囲内』であれば、指定部品/指定外部品および取り付け方法に関係なく構造等変更検査を受ける必要はなく車検を通すことが出来ます。

→車高が4cm以内の変更であれば大丈夫という話をよく聞きますがⓐ自動車部品を装着したときに寸法及び車両重量が一定範囲内である場合の話になります。4㎝以上の車高の変更に関してはⓑの条件を満たしていれば問題ありませんので以下に記載するⓑの内容をご確認ください。

ⓑ指定部品を溶接またはリベット以外の取り付け方法により装着した場合

指定部品と指定外部品

指定部品とは

『自動車使用者の嗜好により、追加、変更等をする蓋然性が高く、安全の確保、公害の防止上支障がないものとされている自動車部』のことを指し、この部品を簡易的または固定的取付方法(以下に記載した「取り付け方法について」を参照)で装着した場合は、一定範囲を超えても自動車検査証の記載変更手続を行わなくてもよいとされています。
しかし、「指定部品」であっても、これらの自動車部品を装着した車両は、「道路運送車両の保安基準」に適合するものでなければなりません。


コイルスプリングやショックアブソーバーは指定部品の中で「緩衝装置関係の部品」に分類され、同グループの中には他にストラット、ストラットタワーバーがあります。

つまり、コイルスプリングを用いた車高の変化は4㎝を超えて変化しても構造等変更検査は不要となります。しかし、指定外部品(以下参照)に該当する、コイルスペーサー、ボディリフト用ブロック等は4㎝以内の変更であれば構造等変更検査を受ける必要はありませんが、4㎝を超える場合は構造等変更検査を受け車検証の記載を変更する必要があります。


コイルやショックアブソーバー以外の主な指定部品の例

・リアラダー ・ウインチ ・ロールバー ・ルーフラック ・バンパー 等

これらのパーツで全長や全幅に変更があった際も(溶接、リベット止めは除く)構造等変更検査は不要となります。

指定外部品とは

指定部品として認められているもの以外は全て指定外部品に該当します。これらの部品は一定範囲内での装着は認められますが、一定の範囲を超える場合は簡易的取付方法での装着を除き構造等変更検査を受ける必要があります。

取付方法について

簡易な取付方法:手で容易に脱着できる取り付け方法

・例:蝶ネジ、クリップなど

固定的取付方法:簡易な取り付け方法又は恒久的取付方法以外の取り付け方法

・例:ボルト、ナット、接着剤など

恒久的取付方法:溶接やリベットで装着する方法

※説明書の装着方法がボルトや接着剤で装着する商品(固定的取付方法)を簡易な取付方法とするため使用者がクリップで装着した場合等は不適切な装着と判断され車検にクリアできません。

上記内容を以下の表にまとめました

4cm以上の変化は車検に合格しないという話の出どころは?

ここまで読み進んでくださった方は理解していただけたと思いますが、

4cm以上の変更は合格できないと言われる理由は上記のⓐ自動車部品を装着したときに寸法及び車両重量が一定範囲内である場合の部分の解釈でありⓑ指定部品を溶接またはリベット以外の取り付け方法により装着した場合のことは含まれていません。

しかし、どちらかに該当すれば『諸手続きを簡素化する(車検証の記載変更不要)』対象となるため、の条件を満たしていれば一定範囲を超えても『諸手続きを簡素化する』ことができます。

リーフスプリングで車高を変える場合

平成7年式までのジムニーをはじめ現行のハイエースやハイラックスなどの人気車種でも今なお採用されているリーフスプリング。

リーフスプリングは指定外部品に該当しますが、純正品以外のリーフに交換する場合は車高の変化に関わらず以下の申請をする必要があります。

改造自動車審査

自動車の構造・装置の改造内容について事前に届出を得ることにより、保安基準への適合性の確認を適正かつ効率的に行うための審査となります。

『改造自動車審査要項に記載される改造自動車の届出の必要な範囲に該当するパーツ』を交換する際には受けなければならない審査となります。(純正(同型式に使用されているもの)パーツは除く)

車検を受ける前に改造自動車審査に必要な書類を提出し、審査に合格したのちにパーツを交換し車検を受ける必要があります。その際メーカー発行の諸元と車両の寸法に変化があった場合は構造等変更検査を受け車検証の記載を変更する流れとなります。

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