皆さんこんにちは!!シーエルリンクのジントラです。
JB64が出てから4年が経ちました。
1970年から続いているジムニーですが、歴史が長いと劣化する箇所も出てきます。そこで今回は主にゴム系パーツを中心に経年劣化においてどんな問題が起こるのか説明していこうと思います。
それでは始めます。
消耗パーツの経年劣化に関する5項目
①消耗パーツの経年劣化に関する5項目
まず1つ目は足回り、ここにもゴムのブッシュがあります。ではここではどこの部分
に使われているのでしょうか?
これに関しては複数のパーツで使われています。
リーディングアーム
まず1つ目はリーディングアームにブッシュと言われるゴムパーツが備わっています。
ブッシュ:アームのジョイント(関節)部分に取り付けられていてその柔軟性により衝撃や
振動を減少させるという効果が得られる。
リーディング(トレーリング)アーム:前後方向に配置したアームでサスペンションを構成する要素の内のひとつです。
リーディングアームにはブッシュが【ホーシング側に2つ】【ボディ側に1つ】の系3カ所
使われております。
衝撃を吸収する分その部分にかかる負荷も大きくなります。
症状例としては
(1)金属とゴムの付着部分からはがれてしまう。
(2)継続的な負荷により耐え切れずゴム自体が千切れる。
(3)経年劣化
などがあります。
ではその原因は何なのか?
オフロードのような凹凸の激しい道の走行などにより、ブッシュ部分の働きが激しくなってそれに耐えきれなくなり、(1)(2)の症状になってしまう事が理由の1つとして考えられます。
※主にホーシング側のブッシュに負荷が掛かりやすいのですがボディ側のブッシュにもダメージを受ける場合もありますので、点検の際はホーシング側だけでなくボディ側の確認もオススメします。
ラテラルロッド
次に足回りでゴムが備わっている消耗品パーツは、ラテラルロッドにもブッシュが使われております。
ラテラルロッド:アクスル(車軸)の横方向への動きを規制し、支持することで車輪の位置を決める棒状の部品
ラテラルロットのブッシュは、【端に1つ】【逆の端に1つ】の2カ所となっております。
※車軸の規制や支持はそれだけ負荷が掛かりやすく劣化の可能性も高くなり純正のラテラ
ルロッドではゴムパーツだけの交換が出来ない為、ロッドごとの交換が必要になってきま
す。
症状例としてはリーディングアームの(1)(2)と同様の現象も起きるのですが、ラテラ
ルロッドのブッシュが劣化するとジャダー[シミー]現象の原因になる事があります。
ジャダー[シミー]現象:エンジンをかけたときや運転中に、ハンドルが異常にガタガタと
振動したり左右にぶれたり、普通であればしないような音が発生する現象です。
※ラテラルロッドのブッシュ類は少しの劣化では車検に引っかからない場合もあるので意識して確認を行った方が良いと考えます。
②駆動類の劣化しやすいパーツについて
2つ目には駆動類、ここにも劣化しやすいパーツがあります。ではどこの部分に使われているのでしょうか?
プロペラシャフト
駆動類のプロペラシャフトにもプロペラシャフトブーツという形で消耗品パーツが使われています。
プロペラシャフト:動力を伝えるパーツの1つで、車の前後の方向に回転を伝える
役割があります。
プロペラシャフトブーツ:プロペラシャフト用等速ジョイントのグリ-スを密封し、外部の塵、水などの浸入を防ぎ、等速ジョイントの潤滑を維持するためのシール部品です。
こちらのプロペラシャフトブーツも劣化して破れたりする場合があります。
破れた場合の症状例としては
(1)破れた場所からグリスが漏れ出す。
(2)雨の日などに水が入り込んで錆が発生し、動きが悪くなる
などが起こります。
その原因は何なのか?
まず1つにオフロードなどの凹凸が激しい道などを走行する際に岩などがプロペラシャフトブーツに干渉して破れてしまい、(1)(2)の症状がおきる事が理由の1つとして考えられます。
※ラテラルロッドのブッシュとは違い、プロペラシャフトブーツが破れた場合は車検に通らなくなります。これはジムニーだけでなく他車にも当てはまるので破れた場合は交換が必要になります。
③冷却類の劣化しやすいパーツについて
次に3つ目には冷却類、ここにも劣化しやすいパーツがあります。
ラジエーターホース
冷却類ではラジエーターホースというパーツがゴム製で出来ています。
ラジエーターホース:エンジンを冷やし、オーバーヒートから守る役割を果たすエンジン 冷却水(LLC)の通り道になるゴムホースの事です。
破れた場合の症状例としましては
- エンジンの冷却水が漏れ出る
- エンジンの冷却が間に合わず、オーバーヒートを起こしてしまう。
といった事が起こります。
その原因とは何なのか?
最近の車ではホースがプラスチック製の物が多くなったのですが、JA11など昔の車の頃は金属製のパイプが当たり前だったのでエンジンなどの熱によりゴムパーツが溶けるといった現象が起きていました。
④エンジン類の劣化しやすいパーツについて
4つ目にはエンジン類、ここにも劣化しやすいパーツがあります。
エンジンマウント
エンジンにはエンジンマウントというパーツにゴムが使われています。
エンジンマウント:エンジンを搭載するときに、エンジンを車体に固定するためのパーツのことで、エンジンを支えたり、エンジンの振動が車体に干渉するのを軽減させたりする役割があります。
劣化による症状例としては
(1)クルマの発進時や減速時の振動が乗車している人に伝わるようになり、快適性が損なわ れてしまう。
(2)エンジンが振動により動いてしまうことで、周りの部品も故障してしまうリスクが発生する。
(3)アイドリング時の振動の大きさ加減速時の異音といった事が起こります。
その原因とは何か?
まず1つに考えられるのは、エンジンの熱と振動での劣化、そしてオフロードを走ってるジムニーだと横転の経験がある車も多いと思うのですが、一度の横転でもエンジンマウントが千切れる可能性が高くなります。
また、古い車は経年劣化も考えられます。
※こちらのパーツが千切れている場合は、車検が通らないのでこまめな確認をお勧めします。
⑤シフト類の劣化しやすいパーツについて
ゴム系ではありませんが、5つ目にはシフト類にも劣化しやすいパーツがあります。
シート、ギヤコントロールロア:JA11のマウントはウレタンに近い性質で、シフトレバーの摩耗を防ぐための干渉パーツとなっております。
劣化による症状例としては
・シート、ギヤコントロールロアのひび割れ。
・シート、ギヤコントロールロアが粉々になりシフトレバーのグラグラ現象が起きる。
といったことが起こります。
その原因とは何か?
摩耗を防ぐためのパーツなのでシフトレバーを使用するたびに負荷が掛かり、擦れるたび
に削れてしまう。またはトランスファーは熱を帯びやすい場所なので溶けてしまい放置し
続けると無くなってしまうといった事が理由として考えられます。
※ギヤコントロールロアを交換する場合は、トランスファーの分解が必要なのでその分工
賃が高くなる事があります。
シーエルリンクで修理を行った際にかかる工賃
ここまで5つほど劣化パーツを紹介してきましたが、各パーツの交換を依頼すると当然工賃が掛かります。
店舗によってそれぞれ値段は変わるので明確な基準を紹介する事は出来ませんが、シーエルリンクで各パーツの交換を行った場合に発生する工賃を紹介しようと思います。
※表記は全て税込となっております。
アームブッシュ打ち換え
:3,300円/1個別
※アーム着脱工賃別
ラテラルロッド交換:フロント8,800円
※ラテラル交換同等
※ステアリングセンター調整込みリヤ6,600円
JA11系のMTシフトのブッシュ交換(シフトリペア):5,500円
ラジエータホース
※冷却水交換は含まない
・F6A(JA11/12)アッパホース:6,600円
・F6A(JA11/12)ロアーホース:7,700円
・K6A(JB23)アッパホース:6,600円
・K6A(JB23)ロアーホース:6,600円
・R06A(JB64)アッパホース:7,700円
・R06A(JB64)ロアーホース:11,000円
エンジンマウント
・F6A(JA11/JA12):17,600円※両側
・K6A(JB23):29,700円※両側
・R06A(JB64):61,600円※両側
プロペラシャフトブーツ
・JA11/12:5,500円※フロントリヤ
・JB23:5,500円※フロント
・JB64:5,500円※フロント
こちらの価格は2022年10月現在のものです。
終わりに
ジムニーに限らず長く愛用しているとその分劣化するパーツも増えていきます。
それを放置していると車検に通らなくなり、トラブルの原因や最悪の場合故障や取り返しのつかない事故を起こしてしまう事もあるかもしれません。
ですが劣化しやすい細かなパーツに気を配り交換や修理をしていけば愛するジムニーをより長く乗れる事に繋がります。
我々もユーザー皆様のお力になれる事があれば全力で応援します!
より長く乗れるジムニーを楽しもう!